• Tidak ada hasil yang ditemukan

2019年発行分 | かずさDNA研究所 - 幅広く社会に貢献する研究所をめざしています。

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "2019年発行分 | かずさDNA研究所 - 幅広く社会に貢献する研究所をめざしています。"

Copied!
10
0
0

Teks penuh

(1)

2019 OCT 69

P09. 研究紹介

藻類のオイル生産を制御する遺伝子 シャインマスカットのゲノム解読 P12. どんなゲノム こんなゲノム

金魚のゲノム解読 P13. 遺伝子ってなんだろう?

雌雄の産み分け

ショートスリーパー遺伝子 P15. 活動報告

DNA出前講座受講者1万人達成 P17. かずさDNA研究所クイズ

特集:開所25周年記念

NEWSLETTER

NL69-A

公益財団法人かずさDNA研究所 〒292-0818千葉県木更津市かずさ鎌足2-6-7 TEL : 0438-52-3900 FAX : 0438-52-3901 https://www.kazusa.or.jp/ E-mail:[email protected] かずさDNA研究所ニュースレター第69号 発行日令和元年10月15日(年4回発行) 企画・編集/公益財団法人かずさDNA研究所広報・研究推進グループ ニュースレターは以下のサイトからも閲覧できます。 https://www.kazusa.or.jp/j/information/newsletter.html [配信登録:ニュースレターの発行をメールでお知らせします。]

(2)

かずさDNA研究所は平成6年10月26日に開所し、今 年は25周年の節目の年にあたります。DNA研究を専門 に行う世界初の研究所として、千葉県の支援のもとに開 所しました。DNA研究を通した産業構造の高度化を目指 して活動を続けることができたのは、当研究所に対して 多大なご支援とご協力をいただきました皆様のお蔭であ り、職員一同、心より感謝申し上げます。

開所25周年を記念するとともに、一般の皆さまに研究 所の活動をより一層ご理解いただくため、ここにその活 動の一端をご紹介いたします。

特集:開所25周年記念

 植物ゲノムの研究で、食糧問題や環境問題の解決 を目指します。

 ヒト遺伝子研究で、健康や病気の治療に関する 研究法の開発に貢献します。

 産業基盤の開発研究で、有用物質の発見や利用法 の開発に努めます。

財団設立:平成3年3月 開所:平成6年10月 基本財産:約48億円

スタッフ数:138名 (研究員;39名、技術員;44名) 令和元年8月時点 かずさDNA研究所は、応用につながる高度な基礎研究 や研究開発を行い、社会への貢献を目指すとともに、

DNA研究の普及啓発を進め理科教育を支援します。

表紙の写真

① ② ③

⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨

⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭

⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ ⑳ ㉑

㉒ ㉓ ㉔ ㉕ ㉖ ㉗

㉘ ㉙

㉚ ㉛ ㉜ ㉝

㉞ ㉟ ㊱ ㊲ ㊳

㊴ ㊵ ㊶ ㊷

㊸ ㊹

①「かずさDNA研究所」開所(1994年10月26日)②かずさア カデミアパーク北部 ③シロイヌナズナゲノム解読記者会見

(2000年)④ダイズ根粒菌ゲノム解読記者会見(2002年)⑤ 日本植物生理学会特別賞受賞(2001年)⑥木更津市民栄誉賞受 賞(2001年)⑦沼田千葉県元知事への米国国立科学財団からの 感謝状(1998年)⑧かずさアカデミアパーク形成予定地 ⑨第 54回全国植樹祭記念碑(2003年)⑩シロイヌナズナゲノム解 読論文(Nature, 2000年)⑪ラン藻の設計図(1996年)⑫開 所当時の塩基配列解析装置(シークエンサー)⑬トマトゲノム 解読論文(Nature, 2012年)⑭DNA配列を解析する大型計算機

⑮高浪満初代所⾧ ⑯大石道夫第2代所⾧ ⑰山本正幸第3代所⾧

⑱田畑哲之第4代所⾧ ⑲シロイヌナズナ ⑳公式マスコット

「ダーナ」(2014年)㉑県姉妹都市ウィスコンシン州に本社が あるプロメガ社との共同研究契約締結(2005年)㉒生体物質の 成分解析に用いる質量分析機器 ㉓細胞の顕微鏡観察 ㉔キャピ ラリー型シークエンサー ㉕大会議室での研究発表会 ㉖中庭の 枯山水と松 ㉗世界で影響力のある科学者として田畑所⾧が5年 連続選出(2019年)㉘「ゲノム医療」の展開に向けた千葉大学 との連携研究室設置(2016年)㉙宮崎大学との連携協定締結

(2017年)㉚ゲノム情報を活用した先端がん研究に向けた千葉 県がんセンターとの連携協定締結(2017年)㉛DNA二重らせん 模型 ㉜国際英文科学雑誌「DNA Research」㉝「千葉県夢チャ レンジ体験スクール」による親子実験講座 ㉞かずさ遺伝子検査 室(衛生検査所登録/難病の遺伝学的検査開始, 2017年)㉟

「DNA出前講座」受講者1万人達成(蔵波中学校, 2019年)㊱

⾧生高等学校とSSH連携協定締結(2014年)㊲木更津高等学校 とSSH連携協定締結(2016年)㊳「JSTさくらサイエンス事 業」による木更津高等学校と海外の高校生の研究所訪問㊴現代 産業科学館による「伝えたい千葉の産業技術100選」に選定

(2019年)㊵研究所交流棟玄関 ㊶DNAサンプルの調製 ㊷コン ピュータによるDNA配列解析 ㊸次世代シークエンサーによる配 列解析㊹全国高校生を対象とした宿泊型実験講座

ずさ DN A研 究所 (19 .11 ha) , 東 京ド ーム (4.

7ha );

問題 3:C 術員 (44 人), 職員 (13 8人 ), 研

究員 8,7 ,27 口(6 の人 葉県 , 千 30) 6-H 人/H 539 37, 数(1 者の 見学 :C 題4 人); (36 職員 ート 人), (39

3889 ット 9,0 , 千 スカ ) ;30)数(1 ンマ H306-H 加者 /H 25-ャイ 室参 /H 39人 ), シ験教 81人7,5 基対 0,2(13座/実 28塩 数(1 の数 前講 5,8 講者 学者 ,10 6:A , 見座受 菌(9 30) 問題 前講 /H根粒 ); 9人 NA出 イズ 基対 ,89 ), D0塩 ), ダ (121.8,47 基対 員数 573人/R 0塩 (3,会会 437 ,70 ン藻 35,物学 10530) /H子生 口(1 90, 対), 41人市人 本分 ノ(6 塩基 2,8 ),日更津 ヨシ 216 数(5 , 木H30 メイ 43, 30)25-員の 0,1 人/H 5:D (49人/H 県職

(3)

DNA研究所25年の主なできごと

1994かずさディー・エヌ・エー研究所 開所 高浪満 初代所⾧ 平岩外四 初代理事⾧

国際科学雑誌「DNA Research」刊行 1996光合成生物(ラン藻)のゲノム解読 1997大石道夫 第2代所⾧就任

1998 遺伝子機能研究開発制度発足

米国国立科学財団から感謝状(シロイヌナズナのゲノム解析)

2000モデル植物(シロイヌナズナ)のゲノム解読 窒素固定生物(ミヤコグサ根粒菌)のゲノム解読 2001木更津市民栄誉賞を受賞

2002ユニークな性質をもつ3種類のラン藻ゲノム解読 植物の物質生産の制御に関わる基礎技術開発を開始 ヒトの遺伝子の国際登録件数が2000件を突破 2003 窒素固定生物(ダイズ根粒菌)のゲノム解読

天皇皇后両陛下当研究所御視察(第54回全国植樹祭)

2004 マウス遺伝子クローン及び抗体のデータベースを公開 2005かずさバイオ共同研究開発センター開所

皇太子殿下当研究所御視察 プロメガ社との共同研究開始 2006先天性免疫不全症の解明に着手 2007バイオ産業技術支援センターの設置

2008アオコ形成藻 ミクロシスティス・エルギノーサのゲノム解読 トマトの成分組成を一挙に解析する方法を開発

マメ科植物(ミヤコグサ)のゲノム解読

全世界に向けてヒト遺伝子クローンの配布を開始

2009 免疫・アレルギー疾患の克服に向けた産学官との連携を開始 2010 希少疾患の原因遺伝子検査拠点に向けての活動を開始

バイオ燃料植物(ナンヨウアブラギリ)のゲノム解読 2011 田畑哲之副所⾧が文部科学大臣表彰を受賞

ハクサイのゲノム解読 山本正幸 第3代所⾧就任 2012ユーカリのゲノム解読

公益財団法人に移行 トマトのゲノム解読 2013田畑哲之 第4代所⾧就任

食用イチゴのゲノム解読 2014 ダイコンのゲノム解読

ナスのゲノム解読

⾧生高等学校とSSH連携事業協定を締結 2015 サツマイモ野生種のゲノム解読

東京理科大学生命医科学研究所と連携協定 株式会社かずさゲノムテクノロジーズが設立 研究所見学者13万人達成

2016 ラッカセイ祖先種のゲノム解読

千葉大との連携で所内に連携研究室を設置 木更津高等学校とSSH連携事業協定を締結 日本シバのゲノム解読

ソバのゲノム解読 キヌアのゲノム解読

サブクローバーのゲノム解読 2017 イチジクのゲノム解読

千葉県がんセンター研究所と連携協定 サクランボのゲノム解読

宮崎大学と連携協定 ノイバラのゲノム解読

衛生検査所の登録を行い難病の遺伝学的検査を開始 2018 研究所のサポーターズクラブ「DNA倶楽部」を発足

DNA Research 出版局を設置

2019 文部科学省教員免許状更新講習開設者に指定 キクタニギクのゲノム解読

サクラ(ソメイヨシノ)のゲノム解読

現代産業科学館の「伝えたい千葉の産業技術 100選」に選定 野生ダイズのゲノム解読

ラッカセイ栽培種のゲノム解読

中高生のDNA出前講座受講者1万人達成

02 17

今回は特集号として、かずさDNA研究所にゆかり のある事柄に関するクイズを出題します。

答えは18ページに掲載

かずさDNA研究所クイズ

A:木更津駅 B:東京ドイツ村

C:マザー牧場 D:東京ディズニーランド

問題1

下記の数字は当研究所からどこまでの距離で しょうか?

問題3

下記の数字は2019年8月時点の当研究所の何の 人数でしょうか?

A:かずさアカデミアパーク B:木更津市 C:かずさDNA研究所 D:東京ドーム

A:技術員 B:パート職員 C:全職員 D:研究員

11.2km

138人 278ha

問題2

下記の数字は何の面積でしょうか?

問題4

A: 見学者の数 B: 千葉県の人口

C: 木更津市人口 D: DNA出前講座受講者数 下記の数字は何の人数でしょうか?

135,437人

問題5

A:ソメイヨシノ B:ダイズ根粒菌 C:シャインマスカット D:ラン藻

下記の数字は当研究所が解析した何の生物のゲ ノムの⾧さ[塩基対(bp)]の数でしょうか?

3,573,470bp

下記の数字は何の人数でしょうか?

問題6

A: 出前講座/実験教室参加者数 C: 見学者の数 B: 日本分子生物学会会員数 D:千葉県職員の数

19,089人

(4)

<産学官連携>

8月28日(水):「アグリゲノム産業研究会 次世代シーケン サー(NGS)データ解析講習会」を開催

https://www.kazusa.or.jp/workshop/Agpmeeting190828/

index.html

8月29日(木):「千葉県バイオ・ライフサイエンス・ネット ワーク会議 かずさDNA研究所視察・知財セミナー@かず さ」を開催

https://www.kazusa.or.jp/bio-network/pdf/20190805.pdf

9月6/7日(金/土):日本育種学会(秋季大会)に参加

(近畿大学 奈良キャンパス)

https://www.nacos.com/jsb/06/06gaiyou.html

9月15/16日(日/月・祝):園芸学会(秋季大会)に参加

(島根大学 松江キャンパス)

http://www.jshs.jp/modules/meeting/index.php?content_

id=2

<その他>*KDRI:かずさDNA研究所に於いて実施

DNA出前講座

7月17日(水):成田市立玉造中学校 7月18日(木):木更津工業高等専門学校 8月19/20日(月/火):山梨県立甲府南高等学校 9月2/3/4/17/18日(月/火/水/火/水)

:千葉県立木更津高等学校 9月12日(木):木更津市立岩根中学校PTA研修会 9月25日(水):匝瑳市立八日市場第一中学校

9月27日(金):君津市立北子安小学校サイエンスクラブ 10月3日(木):千葉県立東葛飾高校

公民館出張講座

7月19日(金):木更津市立岩根公民館

8月28日(水):八千代市立八千代台公民館 小学生 8月30日(金):山武市成東中央公民館 小中高校生

教員研修講座など(KDRI)

7月30日(火) : 生物先端技術研修会

(千葉県総合教育センター共催)

8月1日(木) :文部科学省認定教員免許状更新講習

「分子生物学入門」

8月22日(木) :君津地方教育研究会理科部会研修会

かずさの森のDNA教室(KDRI)

8月6/7日(火/水):千葉県下の中高生

千葉県夢チャレンジ体験スクール事業(KDRI)

7月23/24日(火/水):サイエンススクール

7月26(金):キャリア教育「科学・先端技術体験キャンプ」

イベント

8月3日(土):千葉県立現代産業科学館展示運営協力会 サイエンスショ—、実験・工作教室 8月10/11日(土/日):アート・クラフト縁日

(株式会社かずさアカデミアパーク主催)

10月12日(土) : 千葉市科学フェスタ(千葉市科学館)

イベント等の報告

DNA倶楽部会員募集

研究所の最新ニュース提供 イベント情報提供

会員限定のイベント案内 メンバーカード進呈

会費無料 簡単登録 数字で見るDNA研究所の25年

28

種類

ゲノム解読した生物 (R1.8)

2,037

発見したヒト遺伝子数 種類

ヒト遺伝子は約2万種類なので、

全遺伝子の約10%は千葉県から発見

31

社以上

かずさアカデミア パークの企業 (R1.8)

*かずさインキュベーション センターなども含む

微生物・藻類 (8種) 植物 (20種)

外部研究資金の取得総額 (H14~H30年度)

6,974,670,000

革新的技術開発・緊急展開事業、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業、戦略的創造 研究推進事業、難治性疾患実用化研究事業、革新的がん医療実用化研究事業、循環器疾患・

糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業、革新的先端研究開発支援事業、創薬等ライフサイ エンス研究支援基盤事業、地域産学バリュープログラム、統合化推進プログラム、ゲノム情 報を活用した農産物の次世代生産技術の開発、難治性疾患克服研究事業、難治性疾患政策研 究事業、科学研究費助成事業基盤研究(A)、科学研究費助成事業基盤研究(B)、科学研究費助 成事業基盤研究(C) *平成30年度事業計画より一部抜粋

外部研究資金:国に研究提案 して獲得する競争的研究資金 と企業からの研究資金を含む

*県からの補助金は含まない

DNA出前講座受講者 (R1.8)

10,281 人

300

人以上

研究所で働いた職員の合計 共同研究契約

の件数

173

契約機関のべ数 企業 (108) 大学 (33) 研究機関 (36) 海外 (14) 市町村 (4) 医療機関 (1)

特許出願を行った件数 (R1.8)

175

独立栄養生物のゲノム解読

1996年のラン藻ゲノム解読は、単一生物 では世界で3番目、独立栄養生物では世 界初の成果です。

世界初 137,539

H30年度までの見学者総数

海外からの中高生の研修も増加

外部資金取得

見 学 者

ヒト遺伝子

研究論文

K A P進 出 企 業 出前講座 特許

ゲノム解読

共同研究

職員

ラン藻

発表した研究論文数 (H30.12)

解析を担当したゲノム領域を旗で示す

Cancer Cell (1), Cell (1), EMBO J.

(9), Genome Res. (3), Nature (15), Nature Biotechnol. (2), Nature Commun. (6), Nature Genet. (5), Nature Immunol. (3), Nature Neurosci. (1), Nature Methods (1), Neuron (1), Pro. Natl. Acad. Sci.

USA (29), Science (9) *( )内は掲載数

1,346

(5)

研究成果の評価で見るDNA研究所

世界で影響力のある科学者として5年連続 で選出されました!

クラリベイト・アナリティクス社(旧トムソン・ロイ ター社)は、世界の21の研究分野(自然科学および社 会科学)において、10年以上にわたり高い評価を得て いる影響力ある研究者を、引用分析により特定していま す。田畑哲之所⾧と2012年まで弊所の研究員であった 佐藤修正氏は、5年連続で世界で影響力のある科学研究 者として選出されています。千葉県に支援されてきた弊 所の研究が世界をけん引してきた証です。

日本から選ばれた76名の所属(2016年度版)

理研;12名, 東京大学;11名, 大阪大学;9名, 京都大学, 物質・材料研究 機構;各5名, 産業技術総合研究所, 東北大学, 名古屋大学;各3名, 岡山大 学, 神戸大学, 国際農林水産業研究センター, 崇城大学, 千葉大学, 奈良 先端科学技術大学院大学, 広島大学;各2名,医薬基盤研究所, 宇都宮大学, 愛媛大学, 大阪市立大学, かずさDNA研究所, カブリ数物連携宇宙研究 機構、九州工業大学, 九州大学, 慶応大学, 埼玉大学, 順天堂大学, 武田 薬品工業株式会社, 東京農工大学, 東京理科大学, 徳島大学, 鳥取大学, 北海道大学, Meiji Seikaファルマ株式会社, 山形大学, 早稲田大学;各1 名 [人数は第1所属先と第2所属先の合計]

[引用分析(インパクトファクター):自分の発表論文が他の人の論文 にどのくらい引用されたかを分析]

国際共同研究に関する指標で国内民間/

非営利機関の第5位に

科学英文雑誌のNatureは、Nature INDEXという世界 研究機関のランキングを行っています。2015年1月か ら2018年10月の発表論文について、Nature Indexが 独自に厳選した82の自然科学系学術ジャーナルから出 版される高品質な科学論文を対象とした国際共同研究に 関する指標で、弊所が国内民間/非営利機関の中で第5 位になりました。

https://www.nature.com/collections/ggiejjiiib 国際共同研究に関する指標における国内民間非営利機関 Top10

(2015年1月から2018年10月)

①大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構, ②大学共同利用 機関法人 情報・システム研究機構, ③株式会社国際電気通信基礎技術研 究所, ④公益財団法人がん研究会, ⑤公益財団法人かずさDNA研究所,

⑥ファインセラミックスセンター, ⑦公益財団法人豊田理化学研究所,

⑧日本赤十字社, ⑨一般財団法人総合科学研究機構, ⑩電力中央研究所

弊所出版の科学雑誌が国内自然科学専門誌 の第4位に

弊所は、DNA やゲノムに関連する優れた研究成果を出 版する国際専門誌「DNA Research」 の発行を 1994 年に開始しました。国内外の最新のハイレベルな研究成 果が多数掲載されており、クラリベイト・アナリティク ス社が分析した2017年の引用分析では、国内で発行さ れている自然科学系専門誌 250 誌の中で第4位にラン クされ、国際的にも高い評価を得ています。

弊所から投稿された論文も数多く掲載されています。

国内自然科学専門誌 Top10(2017年版引用分析)

①Journal of Photochemistry and Photobiology C-photochemistry Reviews (光科学), ②NPG Asia Materials (材料科学), ③Journal of Gastroenterology (消化器病学), ④DNA Research (ゲノム/DNA), ⑤ Gastric Cancer (胃がん), ⑥Journal of the Meteorological Society of Japan (気象学), ⑦Science and Technology of Advanced Materials (材料科学), ⑧Cancer Science (癌研究), ⑨Plant and Cell Physiology (植物学), ⑩Allergology International (アレルギー学)

04 15

当研究所は千葉県内の中学校、高等学校等を対 象にDNA出前講座を実施しています。本格的に始 めた2013年以降に実施した中学校、高等学校での DNA出前講座の受講生徒数が1万人に達しました。

記念すべき受講者1万人目の出前講座は、袖ケ浦市 立蔵 波中 学校 で行 い、 これ を記 念し て学 校へ

「DNAの二重らせんの模型」を贈呈しました。

図1:平成25年度以降の受講生徒数の推移

図2:平成25年度以降の出前講座/科学イベント の訪問先

DNA出前講座受講者1万人達成

活動報告

(6)

ショートスリーパー遺伝子

遺伝子ってなんだろう?

現代人の多くが感じている慢性的な睡眠不足は、

心血管疾患やがんなどの病気のリスクを高めるこ とが知られています。しかし世の中には、短時間 の睡眠でも健康に支障をきたさない、ショートス リーパーと呼ばれる人もいます。彼らは普通の人 といったい何が違うのでしょうか。

カリフォルニア大学の研究グループは3世代にわ たってショートスリーパーがいる家族のDNA配列 を調べて、家族間で比較しました。そして、β1-ア ドレナリン受容体遺伝子(ADRB1)のDNA配列の 中で、ショートスリーパー特有のCがTに変化して いる箇所を見つけました。そこで、同じ変異をも つマウスを作製したところ、ヒトの場合と同様に 睡眠時間が減り、活動時間が増えることが分かり ました。また、この変異をもつマウスでは、深い 睡眠状態であるノンレム睡眠から一気に覚醒する ことができ、覚醒状態を促進するニューロンの数 が普通のマウスよりも格段に多いため、活動時間 が⾧くなるのではないかということが分かりまし た。

別の研究では、ショートスリーパーは、楽観的 でエネルギッシュであり、同時に複数の仕事をこ なすことができる傾向があると言われています。

今回の結果をきっかけに、効果的に睡眠を取るた めの研究が進み、自由自在にショートスリーパー のようなスーパーマンになれると良いですね。

2019年9月25日 Neuron

植物ゲノム研究の変遷

光合成や共生窒素固定をする生物の ゲノムを調べる

 ラン藻のゲノム解読(1996年、ゲノム解読世界3番目)

 ミヤコグサやミヤコグサ根粒菌のゲノム解読

 根粒菌によるマメ科植物の共生に関する研究

シロイヌナズナのゲノム解読

(1996-2000年)

 モデル植物:シロイヌナズナ(国際共同/全体の25%解析)

 高等植物世界初:植物ゲノム解析の発展に貢献

植物による物質生産に関する研究

(2002-2010年)

 質量分析機器による代謝物同定と遺伝子発現関連研究

 千葉県農林総合研究センターとの共同研究

トマト遺伝子資源の整備

(2000-2006年)

 トマト果実形質の育種選抜技術の開発

 千葉県農林総合研究センター、筑波大学、

野菜茶業研究所との共同研究

実用植物のゲノムを調べる

シロイヌナズナ; 2000年, ミヤコグサ; 2008年, ジャトロファ; 2011年, アブラナ科栽培種の原種; 2011年, ユーカリ; 2012年, トマト; 2012年, イチゴ; 2013年, カーネーション; 2013年, ナス; 2014年, ダイコン;

2014年, 車軸藻植物クレブソルミディウム; 2014年, サツマイモ野生 種; 2015年, シバ; 2016年, ソバ; 2016年, キヌア; 2016年, サブクロー バ; 2016年, ラッカセイ野生種2種; 2016年, オウトウ; 2017年, イチジ ク; 2017年, ノイバラ; 2018年, キクタニギク; 2019年, サクラ「ソメイ ヨシノ」; 2019年、ラッカセイ栽培種; 2019年, 野生ダイズ; 2019年,ブ ドウ「シャインマスカット」; 2019年

ゲノム情報を利用した品種改良

 病気に抵抗性をもつ遺伝子の同定

イチゴうどんこ病/ラッカセイ黒渋病・さび病など

 付加価値の高い作物の創出(国内外での共同研究)

高オレイン酸含有落花生/イチゴの輸送適正など

植物ゲノム情報の社会での利用

 種苗会社を対象とした種子の純度検定

 農作物の品種識別、種子の病害検査

 各種植物に関する統合データベースの構築

1900年:メンデルの遺伝の法則再発見 1973年:組換えDNA技術の開発

2005年:スギ花粉症治療米の開発 (日本)

2010年:人工合成ゲノムの細菌への導入成功 2004年:カルタヘナ法の施行 (日本) 2004年:国際協力によるイネゲノムの解読完了 1996年:除草剤耐性、害虫抵抗性の遺伝子組換え作物商品化(米国)

1995年:青いカーネーション「ムーンダスト」誕生

2016年:茶色くならないマッシュルーム開発 (米国) 2016年:ソラニンを含まないジャガイモ開発 (日本) 2012年:CRISPRによるゲノム編集技術開発

(7)

13

雌雄の産み分け

ヒトを含む哺乳動物のほとんどの性別は性染色 体で決まります。X染色体が2本(XX)だと雌、

XとY染色体が1本ずつ(XY)だと雄になります。

卵子はX染色体を1本もつのに対し、精子にはX染 色体をもつX精子とY染色体をもつY精子があり、

X精子が受精すれば雌(XX)、Y精子なら雄にな ります(XY)。X精子とY精子は同じ数がつくら れ、これまで機能差はないと考えられてきました。

広島大学の研究グループは、マウスでの精子形 成過程の後期にX染色体から発現し、精子になった 後にもRNAが残っている遺伝子を492個見つけま した。さらに、薬剤処理でX精子とY精子を分け ることを考えて、細胞の表面にある「受容体」と 呼ばれるタンパク質をつくる遺伝子18個のうち、

Tlr7遺伝子とTlr8遺伝子(病原体を感知して自然 免疫を作用させるToll様受容体をコードする)に 着目して研究を進めました。

これらのタンパク質は、X精子でのみ精子の頭部 以外の部分に発現しています。そこで、試験管内 でマウスの精子にこれらに結合する薬剤を加えた ところ、半数の精子の動きが低下しました。そし て、この動かなくなった精子を回収して体外受精 をしたところ、約80%の割合で雌が誕生しました。

この技術は、ウシやブタでも応用可能であるこ とが確認されています。もちろんヒトでも可能で すが、倫理的には避けた方がよいでしょうね。

2019年8月13日 PLOS Biology

2019年8月14日 広島大学プレスリリース

遺伝子ってなんだろう?

06

「光合成」を行う微生物であるラン藻 を対象として、 5種類のラン藻のゲノ ム解読を行いました。さらに、植物の

「窒素固定」の研究のために、マメ科 植物と共生関係にある2種類の根粒菌 のゲノム解読を行いました。将来、研 究成果が窒素肥料の使用軽減につなが ることを期待します。

日欧米の国際共同プロジェクトで、植 物の分子遺伝学的研究に用いられてい た高等植物である「シロイヌナズナ」

のゲノム解読を2000年に完成しまし た。この成果により実用作物を含む植 物のゲノム研究が進み、千葉県の国際 的知名度をあげることもできました。

シロイヌナズナのゲノム解読を受けて、

工業原料などを植物に効率的につくら せる技術基盤を構築する研究が可能と なりました。代謝物や遺伝子発現の解 析を行い、植物代謝物の合成経路の マップづくりを行い、代謝物の生合成 経路にかかわる遺伝子について多くの 情報を提供しました。このプロジェク トでは、国内企業10社とも連携しまし た。

開所から6年を過ぎた頃から、ゲノム 解析により明らかになった遺伝情報を 利用して、大規模な遺伝子機能解析を する段階に入りました。具体例として は、千葉県農林総合研究センター、筑 波大学や野菜茶業研究所などとの共同 研究で、トマトの果実の色素合成や成 熟の制御に関連する遺伝子を解析し、

育種選抜技術の開発研究を行いました。

開所から10年を過ぎた頃より、実用植 物のゲノム解析をスタートしました。

これまでに20種を超える実用植物のゲ ノム解読を行いましたが、これにより、

個々の植物の有用遺伝子が特定されや すくなり、品種改良における選別が分 子レベルで行えることから、育種のス ピードが加速します。現在は、ゲノム 構造が複雑で解読が難しいサツマイモ の解析などを行っています。

ゲノム情報を活用して、耐病性、害虫 耐性や乾燥耐性などの遺伝子をもつ実 用植物の育種が可能となります。これ を効率よく行うためのツールが「DNA マーカー」で、有用遺伝子の有無の判 定や品種識別に用いられます。2005 年頃から様々な植物のDNAマーカーを 特定し、病気に抵抗性をもつ作物や高 付加価値化した作物の創出に向けて、

国内外で共同研究を進めています。

国内外での共同研究

(8)

ヒト遺伝子研究の変遷

ヒト遺伝子を探す

(1994-2002年)

 約2,000種類の遺伝子のDNA配列を解析・公開

 世界の研究機関に遺伝子を無償配布

プロメガ社との共同研究

(2005-2013年)

 県姉妹都市ウィスコンシン州の研究試薬メーカー

 研究用タンパク質発現クローンの世界的販売

難病の遺伝学的検査を開始

(2017年8月-)

 衛生検査所として登録(2017年7月)

 難病の遺伝学的検査を開始 *検査は80種類を超える(R1.8)

 ライソゾーム病の検査開始

 家族性がんの遺伝学的検査開始 *48遺伝子対象(R1.8)

かずさ発ベンチャー企業の設立

(2015年)

 (株)かずさゲノムテクノロジーズ(KGT)

 研究成果を活用した事業創出など

国際遺伝子コンソーシアムに参加

(2005年-)

 米国国立衛生研究所(NIH)が主導 *国内では理研と弊所

 完全な形のヒト遺伝子は約16,000種類以上(R1. 8)

2003年:ヒトゲノム配列解読完了 1990年:遺伝子治療に初めて成功

2007年:ヒトiPS細胞の樹立 2006年:遺伝子診断ビジネス開始

2012年:CRISPRによるゲノム編集技術開発 2008年:米国遺伝子情報差別禁止法成立

2019年:がん遺伝子パネル検査保険適用 2018年:がん免疫療法開発でノーベル賞 1996年:クローン羊ドリー誕生 1977年:DNA塩基配列解析技術の開発

ヒト遺伝子の機能を探る

 研究成果の産業利用を目的とした遺伝子機能研究開発制度

(1998-2012年)

 包括的な遺伝子機能解析に向けた研究ツールの整備

(2001-2006年)*マウス遺伝子とその産物に対する抗体を整備

 人工染色体を用いた染色体機能解析を開始(2008年-)

疾患と遺伝子の関連を調べる

(2006年-)

 原発性免疫不全症に関する研究を開始(厚労省・大学)

 免疫・アレルギー疾患に関する研究を開始(千葉大・理研)

 千葉県がんセンターとの連携(2017年1月)

 千葉県のゲノム医療実現に向けたネットワーク形成

 千葉大学との連携研究室を研究所内に設置

2008年:1000人ゲノムプロジェクト開始

2016年:人工知能ワトソンが患者ゲノム配列をもとにがん治療法助言

どんなゲノム こんなゲノム

金魚のゲノム解読

金魚すくいでおなじみのキンギョは、今から約 2000年前の中国で野生のフナの中にいた赤色の個 体がもとになっているのだそうです。日本には室 町時代に伝わり、江戸から明治の頃には庶民の間 にも愛玩動物として広まりました。

キンギョには眼球が飛び出たデメキン、尾びれ の⾧いリュウキンなど、色や形態の異なる多くの 品種があります。これらの違いをもたらす原因と なる遺伝子を解析することは、ヒトを含む脊椎動 物の体づくりのしくみの理解や、様々なキンギョ 品種の維持管理、新しい品種の育成にもつながり ます。

今回、大阪大学の研究グループはキンギョ品種 ワキ ン( 和 金)を用 い てゲノ ム解 読を 行い 、 1400-1600万年前にフナの祖先種で、遺伝子の数 が2倍になる全ゲノム重複が起こっていたことを 示しました。重複した遺伝子の一部(12%)は進 化の過程で失われたものの、残りの一部の遺伝子 が別の機能をもつ遺伝子に変化することができた ため、キンギョが多様な形態をもてるようになっ たと考えられています。

キンギョのゲノムの特徴 染色体数:2n = 100

ゲノムサイズ:約18億塩基対 遺伝子数:70,324個

2019年6月27日 Science Advances 2019年6月27日 大阪大学プレスリリース

(9)

08 11

香港中文大学 大学生

Wai Sum CHU、朱蔚森さん (左)

Chee Men LEE、李沚汶さん (右)

海外からの研修生

昨年に続き、今年の夏も香港中文大学の3年生

(ニックネーム:CharmaineとCheemen)が広 報・研究推進グループにやってきました。一月半 の短い期間でしたが、一般の方に科学をやさしく 伝えるサイエンスコミュニケーションを体験しま した。二人とも母国語の中国語に加え、英語、日 本語が堪能なので、海外からの見学者にも積極的 に対応していました。また、出前講座や科学イベ ントにも参加し、DNAの抽出実験などをサポート してくれました。難しい内容を分かりやすく伝え る方法を学ぶだけでなく、伝えることの喜びを一 緒に感じてくれたのではないかと思います。

さらに、実習講座の新しい実験メニューをつく るのための実験も進めてくれました。大学では 習っていない実験や、DNA配列のコンピュータ解 析など、初めて行う手法にも関わらず、すぐにや り方を覚えて無難に作業をこなしていました。

インターンシップで経験した様々な年齢層との コミュニケーションが、彼らが進むそれぞれの道 において、少しでも活かされることを願います。

開所当時、成⾧ホルモンやインシュリ ンなど遺伝子からつくられるタンパク 質が治療薬として使われていたことか ら、ヒトの遺伝子ハンティングが国際 的な競争となっていました。弊所でも 解析の難しかった比較的⾧い遺伝子に 注目して、これまで見つかっていな かった約2,000種類のヒト遺伝子を発 見しました。ヒトの遺伝子が約20,000 種類あるので、ヒト全遺伝子の10%に 相当します。

ヒト全遺伝子を単離して病気の解明や 薬の開発研究に役立てようとする動き が世界的に起こりました。2005年に は米国国立衛生研究所が主導でヒト遺 伝子カタログ化の国際プロジェクトが 始まり、日本からは理化学研究所と弊 所が参加しています。このヒト遺伝子 の構造解析の成果は、遺伝子に関する 貴重な情報のほか、研究に必要な遺伝 子資源を提供することを可能とし、世 界の生命科学研究に貢献しています。

弊所で見いだされた遺伝子の多くはそ の機能が不明であったため、2001年 から、ヒト遺伝子に類似するマウス遺 伝子の単離を行い、モデル動物を用い た実験が可能になりました。同時にそ のタンパク質に対する特異的抗体を作 製し、個々のタンパク質が生体内のど こで働いているか、またどのようなタ ンパク質と共に働いているかなど、機 能予測に重要な情報を蓄積することが できました。

2005年、千葉県からの依頼で県の姉 妹都市に当たる米国ウィスコンシン州 に本社がある研究試薬メーカーとの共 同研究が始まりました。弊所が発見し たヒト遺伝子をもとに遺伝子機能解析 ツールを整備し、2008年から世界販 売を開始しました。2015年には、こ の事業を引き継ぐ研究所発ベンチャー の「KGT」が設立し、研究成果を活用 した事業創出へ向けた活動が行われて います。

弊所は2006年から、理化学研究所や 厚生労働省研究班の臨床専門医の方々 との共同研究で、原発性(先天性)免疫 不全症候群の遺伝子解析に関する臨床 研究を行いました。2009年からは、

理化学研究所や千葉大学との共同研究 で、免疫・アレルギー疾患克服に向け た研究を進め、関連医療産業への橋渡 しを図りながら、産学官連携による実 用化研究を行いました。

2017年7月には衛生検査所の登録を 行い、これまで進めてきた難病の遺伝 学的検査の臨床研究を実践することに なりました。ちば県民保健予防財団、

千葉大学病院、千葉県こども病院をは じめとした医療関係機関との連携によ り、県内における遺伝子診療を推進す るためのネットワークを形成し、難病 克服のための取り組みを進めています。

(10)

研究紹介

藻類のオイル生産を 制御する遺伝子

東京工業大学/京都大学/東北大学/遺伝学研究所との共同研究 地球温暖化や石油などの化石燃料の枯渇が心配 される中、バイオマス(再生可能な、生物由来の 有機性資源で化石資源を除いたもの)燃料の導入 が進んでいます。中でも、単位面積当たりの脂質 生産が高く、トウモロコシなどの食用作物と競合 しない藻類に注目が集まっています。

一般的に藻類は、植物の肥料となるリンや窒素 が欠乏すると細胞増殖や光合成を止めて、細胞内 に燃料の成分となる脂質を蓄積する性質をもって います。研究グループは、藻類のモデル生物であ るクラミドモナスを用いて、脂質生成のしくみを 研究しています。今回、脂質の蓄積を制御する因 子を探したところ、関連する遺伝子の発現を制御 するLRL1遺伝子を見いだしました。

そこで、LRL1遺伝子の発現を抑える変異体を作 製し、変異のないものと比較したところ、変異体 では、リンが欠乏したときにみられる脂質の蓄積 がみられないことが分かりました。さらなる解析 から、LRL1遺伝子はリンや窒素がしばらく欠乏し た時にみられる脂質の蓄積や細胞増殖を抑制する ための重要な因子であることを明らかにしました。

今後、このしくみを上手く制御して、光合成を 続けながらも脂質をつくらせることができれば、

脂質の大量生産につながると期待されています。

2019年7月27日 The Plant Journal

Chlamydomanas reinhardtii is a unicellular flagellate used as a model system in molecular genetics work and flagellar motility studies.

研究紹介

シャインマスカットの ゲノム解読

農研機構との共同研究 シャインマスカットは、農研機構が約30年かけ て交配育種し、2006年に品種登録した生食用のブ ドウです。種無しで果皮ごと食べられること、ま た日持ち性に優れていること、栽培が容易である ことなどから消費者や生産者のニーズと一致して おり、生産量も毎年増加しています。

古来より世界で主に栽培されているのは、欧州 系ブドウです。一方のアメリカブドウは、アメリ カ原生種からの選抜や欧州系ブドウとの交雑によ り、ここ200年ぐらいで作出されました。シャイン マスカットは、アメリカブドウ系の「安芸津21 号」に大粒の欧州系ブドウ「白南」を交配してで きたもので、安芸津21号の耐病性や肉質の良さと、

白南の良食味を合わせもっています。

今回、シャインマスカットのゲノムを解析して、

欧州系ワインブドウ「ピノ・ノアール」に由来す る系統のゲノムデータ(2007年解読)との比較を 行いました。また、シャインマスカットの兄弟株 のゲノムを解析し、両親のゲノムがどのように混 じって子世代に伝わっているのかを解析しました。

これらの情報は、シャインマスカットに匹敵す る優良品種の育成に活かされていきます。

シャインマスカットのゲノムの特徴 染色体数:2n = 38

ゲノムサイズ:約4.9億塩基対(解読部分)

遺伝子数:解析中

写真:農研機構提供

Referensi

Dokumen terkait

要旨 <緒言> 近年わが国からも多くの世界的なスポーツアスリートが誕生し、連日テレビや新聞のニ ュースで話題になっている。実際、わが国のスタジアム等での直接的なスポーツ観戦の人 口は、2004年には2000万人であったが、2005年には2150万人へと増加したと報告され ている(レジャー白書,2005)。こうした中で、今までのスポーツ観戦者の感情について

備を抱えており,新規投資をせずにこの多品種化を行わなければならない.新たな投資を避け るためには,現有の設備を有効に利用しなければならない.そのためには,現有設備における CVPの関係を知る必要があった.その結果貢献利益分析やCVP分析が多品種製品に拡張されて 利用されたのである.また,材料が不足していたため,無制限に品種を増やして製造するわけ

研究実績 の概要 本研究はインタビュー調査である。調査対象者の選定および調査の実施においては、ま ず岡山県医療ソーシャルワーカー協会(M 協会)へ研究の趣旨を説明し、了承を得た。次 いで、M 協会の担当理事が経験 3 年未満の MSW を 9 名選定した後、研究代表者より研究の 概要を文書で伝えた。さらにその後、内諾の得られた MSW に研究代表者から連絡をとり、

研究実績 の概要 そこで、本事業では、高齢化・過疎化が進行する岡山県の状況を踏まえて、地域を構 成する各セクターとの関わりに着目し、住み慣れた地域で暮らし続けるためには何が必 要なのか、災害に強い地域づくり、共生のユニバ-サルデザイン、国連持続可能な開発 目標SDGsを軸とする持続可能なコミュニティ創生と次世代の担い手育成の総合的な視 点か提案を行った。

11 ラッカセイのさび病抵抗性遺伝子の同定 2015年5月5日G3 Genes | Genomes | Genetics さび病とは、カビが原因で起こる植物の感 染症で、葉の表面にさびのようなものができ、 病気が進行すると枯れることもあります。千 葉県を含む、世界各国で栽培されているラッ カセイ品種は残念ながらさび病に弱いことか

アグリビジネス創出フェア 2010 於:幕張メッセ に出展しました 当研究所は、11月24日水〜26日金の3日間に幕張 メッセで開催された展示会「アグリビジネス創出フェ ア〜ひろがるチャンス!実らせよう産学官連携〜」に参 加・出展しました。この展示会は農林水産省が主催した ものであり、農林水産業・食品産業分野における最新の

かずさ・千葉エリア「地域イノベーションクラスター プログラム」の産学官連携交流会を開催しました この地域イノベーションクラスタープログラムという のは、文部科学省が、「地域の個性発揮を重視し、大学 等の『知恵』を活用して新技術シーズを生み出し、新規 事業等の創出、研究開発型の地域産業の育成等を図ると ともに、自律的かつ継続的な産学官連携基盤を構築する

* 文部科学省 都市エリア産学官連携促進事業 「かずさ・千葉エリア」 研究成果報告会 平成21年6月から、文部科学省の都市エリア産学官連 携促進事業として、「先端ゲノム解析技術を基礎とした免 疫・アレルギー疾患克服のための産学官連携クラスター 形成」というプロジェクトがスタートしました。これ は、先端ゲノム科学の研究拠点である本研究所と、免疫